イタリア車のATは誰が改良するのか? [北イタリアから偉そうに]
相変わらずMT車ばかりのイタリア.案外慣れるもので,レンタカーでATを探すのもすっかり諦めた今日このごろ.
ところで,日本のサイトを見ると,イタリアの車もほとんどAT(というか2ペダル)しか売っていない.検索しても提灯記事か自己肯定記事が多いのだけど,耐久性とかドライバビリティは進化しているんだろうか?
欧州でのイタリア車はもちろんMTばかり.最近欧州でもAT比率が上がっている,という報告もあるようだが,それは単にドイツ製高級車が市場を席巻している,ということだろう.イタリア人たちの,マニュアルじゃないとカッコ悪い,という意識もあるが,現実には,そんなお金を払うなら他に廻そう,ってことなんだろう.
欧州でAT(2ペダル)というと,高級グレードのさらにオプション,という位置づけのようだ.イタリアでの価格をざっと調べてみるとこんな感じか.例によって間違いがあるかもしれませんので,そこいらへんはご容赦を.価格は全てユーロで,出典はこちら:Fiat Punto, Alfa Giulietta, VW Polo, VW Golf.
トリムレベルの違いはあれど,AT車を手に入れるためには,ボトムグレードに5,000ユーロ程度プラスする必要がある.同グレード同士で比べても1,500ユーロ以上の差があるので,費用にうるさい(懐が厳しい)イタリア一般市民にとっては別の車と受け止められているのではないだろうか.なお,PUNTOはロボタイズド5MTが+800と比較的安いが,ディーゼルでは選択できないし,クオリティはDSGやTCTに及ばないだろうから,これも市場に選ばれないだろう.
ドイツ勢と違ってイタリアの車はアメリカでマス・マーケットを持たないから,販売の大多数を占める市場はみなMTばかりということになる.つまり,ATユーザーはほぼ日本にしかいない.その日本でもニッチな市場に収まっているわけだから,ATに関する経験値は全然蓄積されてないんじゃないだろうか.こんな状況でもATは進化してくれているのだろうか・・・
日本の大都市の過酷な交通状況で,日本仕様ラテン車たちは生き残って行けるのだろうか・・・いや,高齢化とダウンサイジングによるエンジン-トランスミッション協調の重要性増大のもと,イタリア車は生き延びられるのだろうか.
ま,余計なお世話ですが.
ところで,日本のサイトを見ると,イタリアの車もほとんどAT(というか2ペダル)しか売っていない.検索しても提灯記事か自己肯定記事が多いのだけど,耐久性とかドライバビリティは進化しているんだろうか?
欧州でのイタリア車はもちろんMTばかり.最近欧州でもAT比率が上がっている,という報告もあるようだが,それは単にドイツ製高級車が市場を席巻している,ということだろう.イタリア人たちの,マニュアルじゃないとカッコ悪い,という意識もあるが,現実には,そんなお金を払うなら他に廻そう,ってことなんだろう.
欧州でAT(2ペダル)というと,高級グレードのさらにオプション,という位置づけのようだ.イタリアでの価格をざっと調べてみるとこんな感じか.例によって間違いがあるかもしれませんので,そこいらへんはご容赦を.価格は全てユーロで,出典はこちら:Fiat Punto, Alfa Giulietta, VW Polo, VW Golf.
車種 | エンジン | ボトムグレード | 同グレードで | ||
---|---|---|---|---|---|
MT | AT | 差額 | |||
FIAT Punto | ディーゼル | 14,450 | - | - | - |
ガソリン | 12,450 | 13,200 | 14,000 | +800 | |
VW Polo | ディーゼル | 14,800 | 18,300 | 19,800 | +1,500 |
ガソリン | 12,600 | 16,100 | 17,600 | +1,500 | |
Alfa Giulietta | ディーゼル | 22,270 | 26,720 | 28,420 | +1,700 |
ガソリン | 18,770 | 23,320 | 25,020 | +1,700 | |
VW GOLF6 | ディーゼル | 19,900 | 23,900 | 25,800 | +1,900 |
ガソリン | 15,300 | 21,850 | 23,750 | +1,900 |
トリムレベルの違いはあれど,AT車を手に入れるためには,ボトムグレードに5,000ユーロ程度プラスする必要がある.同グレード同士で比べても1,500ユーロ以上の差があるので,費用にうるさい(懐が厳しい)イタリア一般市民にとっては別の車と受け止められているのではないだろうか.なお,PUNTOはロボタイズド5MTが+800と比較的安いが,ディーゼルでは選択できないし,クオリティはDSGやTCTに及ばないだろうから,これも市場に選ばれないだろう.
ドイツ勢と違ってイタリアの車はアメリカでマス・マーケットを持たないから,販売の大多数を占める市場はみなMTばかりということになる.つまり,ATユーザーはほぼ日本にしかいない.その日本でもニッチな市場に収まっているわけだから,ATに関する経験値は全然蓄積されてないんじゃないだろうか.こんな状況でもATは進化してくれているのだろうか・・・
日本の大都市の過酷な交通状況で,日本仕様ラテン車たちは生き残って行けるのだろうか・・・いや,高齢化とダウンサイジングによるエンジン-トランスミッション協調の重要性増大のもと,イタリア車は生き延びられるのだろうか.
ま,余計なお世話ですが.
興味深いコンテンツで、楽しく読まさせていただきました。
イタリアは、高低差も大きい街並みも多くて、MT比率が
日本で言うところの、昭和50年台前半的な状況と聞いた
ことがあります。
ATは日本のアイシン精機を使ったり、過去にはスバルの
CVT、日産のATなどを使っていましたね。
現在は、ツインクラッチ版の最新式を、イタリア開発で日本
のパーツなども使いながら供給されています。
ここにきてFIATグループ(フェラーリ・マセラティ・ランチア
アルファロメオ・FIAT等)が本格的にアメリカに再度登場
する環境になったせいでもあると思います。
個人的には、フランスより、イタリアの方が日本対応も含め
親日的だと思います。
フランス車はここ2年前まで、おっしゃるようにニッチの中の
ニッチ需要のため、長年ボディは最新になっても、4速の
ATでした。
イタリア車は、クルマらしいクルマをつくること、主人公が
クルマではなく、どんな高価なモデルでも、あくまで運転
する側の人にあるというスタンスなので、これから電池式
、ハイブリッド化、水素などすすめばすすむほどに、逆に
注目もされてくる国だと思います。
by alfalatencorse (2014-11-19 13:55)
コメントありがとうございます.お詳しいですね・・・
当方が現地にいて感じたのは「自腹で車を買う人はすごく保守的」ということです.MT信仰も含めて.
イタリア庶民たちは,ごくシンプルにおトクで美しいものが好き.なので,韓国車を買う層とアルファ・ランチアで頑張る層の狭間で日本車が苦労しているように思います.
by d9ra (2014-11-20 19:18)