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ATと客層 [北イタリアから偉そうに]

帰国後の新しい車を妄想中のため,このところ車の話題が続いております.

さて,相変わらずMTばかりのイタリア.たぶん欧州はどこもそんなもんでしょう.庶民が買うCセグメント以下はもちろん,DセグやEセグ(BMW 5やAUDI A6など)もMTが珍しくないこの国.

なぜ人々はATを選ばないのか?滞在を通じてイタリア人に聞いて廻った話を総合すると,結局「お金がかかるから」という点に収斂するみたい.

初期投資としてAT車は高い,というのは前にも書いたけど,それだけじゃなくて中古市場で値がつかない,というのも大きな理由とのこと.結局2ペダルを含むATの信頼性が十分でないので,次の買い手が見つからない,ということらしい.

もちろん,お金持ちは自由に好きな車を選ぶだろうし,カンパニーカーとしてガソリン代まで会社持ちの人も,耐久性についてそれほど気にする必要はない.要は客層が違う.

最近流行りのDCTも,オートマチックというより速く走るための道具として展開されているようだ.ポルシェ,フェラーリ,BMWやメルセデスの高性能モデル(ニッサンGTRも)は軒並み搭載しているよね.こういった車では,オーナーはメンテナンスにお金を注ぎ込めるだろうし,変速ショックやノイズも納得の上で使うだろう.ラクに走る車も,別に持っているだろうからね.

ところで,日本の輸入車インプレッションを眺めていると,DCTやロボタイズドMTについて「乗り手が適応せよ」とか「欧州人はMTに慣れているからこういうのが好み」といった文言を見かけることがあるけど,正気かよ?って思う.ギアボックス(道具)に乗り手が合わせなくてはならないなんて,「速く走る」など何かもっと重要な目的が無い限り変だろ.欧州人がMTに慣れているのは本当だが,現地で(Cセグ以下では)誰も2ペダルなんか乗ってないから,好きも嫌いも不明,だろう.

先ごろ,AUDIがQ5なるSUVのトランスミッションをDCTからトルコン8ATに変更した,とどこかのサイトで書いてあった.要は適材適所,懐の寂しい人にメンテナンスの不安を抱えたシステムを推す,なんてことはしないで欲しいよね.

なお,ネット上では妙にトルクコンバーターを嫌う人もいるみたいだけど,「原理的に」エンジン回転中の車両停止を可能とするシステムは,日本の大都市のようにゼロ発進がものすごく多い地域には,やっぱり適しているんじゃないかと思う.

w_tig2.jpg 「ティグアン 20,900ユーロより」.本文とは関係ないが,Dセグメントぐらいまでの車は,広告やWebで直球の値段提示をしていることが多い.

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