SSブログ

縮む日本とMVNO [携帯・PDA]

このところ隆盛とされている「格安携帯」こと各種MVNO.その理由を考えて自己満足してみた.

なお,米国は国土が広く通信インフラ整備の経済効率が悪いと思うので,主に欧州を比較対象と捉えている.

日本人は理解できなくても契約する


携帯電話大手キャリアの契約はどれも横並びに複雑だ.でも,多くの人が契約している.日本人は理解できなくても契約するのだ.これを支えるのは厚い中間層の経済力だろう.階層社会の欧州と違うところだ.

欧州人は理解できない契約はしない.端的にいって庶民はお金を持ってないから.利用者にとって払えない契約は危険だし,キャリアは回収できない請求をしても始まらない.プリペイド式が多いのもそれが理由だろう.

縮む日本


日本において第二次ベビーブーマー(40歳代)までは比較的経済的に安定していて,家族分の携帯代金ぐらいなんとかなる,という幸福な世代.

しかし,現在の30代は1990年代のそれと比べて平均年収が200万円も低下している.これが劇的に回復することはもう無いだろう.団塊・団塊ジュニアが引退していくと,1人月あたり約8,000円=年あたり約10万円・家族4人なら年40万円は「払えません」という人が増加するだろう.そうなると,欧州型のビジネスモデル,すなわち回収できない請求をしないようなプラン設定が必要になるはずだ.

大手キャリアもこういう予想をして,MVNOの展開を急いでいるんじゃないだろうか.

寡占キャリア次第


携帯電話事業への参入障壁は高く,わが国の寡占状況は変わっていない.役所の指示があっても,手を変え品を変え0円携帯(通信契約と端末販売の非分離)を手放さないところを見れば,寡占の力を痛感せずにはいられないし,総合的にみて寡占キャリアが損しない変化が続くだろう.

大手キャリアショップの販売効率を考えると,契約1人に1時間かかる現状では,8時間労働で8台が限界だ.1人15分で済むなら,同じ労働で32台売れる.販売員1人あたり労務コストが諸々で1日2万円とすれば,8台しか売れなければ1台あたり2,500円.32台なら625円で済む.回線貸し出しビジネスも悪くない,と思える水準まで来てるんじゃないかな.

つまり,販売コストに見合わない客は出ていってもらう.ただし,行先が自社系MVNOであれば,収入を完全に失うわけでもなく,ライバルキャリアを利するわけでもない.

MVNOはそういう波に乗っかった.ただ,ユーザーにもメリットがあるのが救いだ.

今後,大手キャリアブランドは大きく稼げる大口企業と楽に稼げる高齢者に的をしぼり,マスマーケットはMVNOに任せる,という形になっていくんじゃないかな.

そんなの当然ですか,そうですか.


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:パソコン・インターネット

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

ドコモとお別れカゲロウの卵 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。