レイアウトフリーの現実

我が家もWOOOのカタログを見て、レイアウトフリーという言葉に引かれて買ったのだが、現実はどうか。

我が家はフロアスタンドと一緒に買った。というより、せっかく薄型の大画面テレビを買うなら、従来と違う置き方をしてみたかったのだ。そうなると、デザイン的に納得がいくフロアスタンドをオプションとして用意しているのは日立しかなく、必然的にWOOO UTシリーズになる。薄型という面では最先端を争うSONYやSHARPは、あまりこういう置き方をプッシュしていないようだ。

実際にスタンドへモニタを取り付けてみると、案外不安なく収まっている。このあたり、厚み40mm弱、重量13kg強というモニタのサイズがちょうどいいようだ。ちなみにスタンドは5kg強あるので、合計20kg弱というところ。向きを変えるぐらいなら簡単にできるが、持って移動させようとすると手の掛けどころがないので、もう１人助っ人が欲しい。

なお、カタログをよーく見れば分かるのだが、42/47型用のフロアスタンドは、32/37型用と形はそっくりなものの、ワッカの中が抜けておらず重量も非常に重い。モニタが重いのだから当然とはいえ、見た目の軽快感は大幅に失われるのでご注意を。

フロアスタンド取り付け後、壁に寄せると、画面はおよそ28cmほど壁から離れた位置に来る。要は、スタンドのワッカ（奥行き49cm）の中心とモニタの中心が合うようになっているのだ。安定性を最も高める配置ではあるが、壁にもっと寄せたいのであれば、迷わず壁寄せスタンドを使うほうがいい。なお、壁寄せスタンドとなると、各メーカー用意しているし、専用テレビ台にも壁寄せ固定金具を備えるものもあるので、一気に選択肢が増える。

スタンド自体の出来に不満はなく、足にケーブルを通すこともできる。ただ、ケーブルについているフェライトコアを収めることができず、説明書にも外へ出すように書かれている。ちょっとカッコ悪い。なお、カタログ写真では、なにげに電源ケーブルがついていない状態で撮影されているようで、フェライトコアの飛び出しは確認できない。ズルイ。

さて、肝心のレイアウトフリー性だが、自由に持ち運べる・・・ようなイメージで捉えるなら誤りといわざるをえない。先に述べたように重いこともあるが、電源ケーブルとHDMIケーブル、２本をさばかねばならないからだ。どちらも純白のケーブルが付属するが、電源ケーブルのほうが1mほど短い。どうせなら、１本の専用ケーブルでWOOOステーションと接続するようにして欲しかった。なお、昨年までオプションとして、無線モジュールが発売されていたが（１０万円近くする）、今はカタログ落ちしているようだ。

また、地震等の転倒防止のために、カベとの間に丈夫なひも等でつないでおくよう指示されている。これまた、カタログではそのような様子はまったく出てこないのだオイ。しかし、（我が家的に）高価なこのテレビは、子供の暴走による転倒の危機に常にさらされているため、タコ糸を使って一応の転倒防止策を行った。なお、この際にスタンド付属のワイヤーホルダをモニタ背面に取り付けるのだが、ネジまで白いモニタに対し、このホルダは黒一色。もう少し考えてくれよ。

こんな感じでいろいろあったが、購入を後悔するような気分にはいまのところなっていない。空間利用の効率も高いわけではないが、画面が空中に浮いているような感覚はそれなりに斬新だし、いざとなればちょっと向きを変えてやるぐらいは簡単にできる。結構気に入っているのだった。

32/37型用のスタンドは、設置面の中央部が抜けていて軽快な感じ。42/47型用はここが金属でふさがれていて、10kg程度重い。カタログでは、巧みにこの点が気にならない写真が選ばれている。	スタンドの「首」部分。フェライトコアの部分はスタンドのアームに収まらないため、飛び出してしまう。ちょっと間抜け。ケーブルはまぶしい純白だが、付属の電源ケーブルはHDMIケーブルよりかなり短い。	背面に付けたワイヤーホルダ。WOOO UTシリーズの白は、背面のネジも白く塗装されていてデザインを乱さないようになっているのだが、ワイヤーホルダは無粋な黒。製造会社が異なるというのは、カタログにも書いてあるのだが、もう１歩なんとかならないものだろうか。