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英語講義考 [北イタリアから偉そうに]

いまイタリアにいるので,日経電子版を読んでいる.紙と同じ紙面(広告も・・・)が余すことなく読めるのは良い.

で,企業の論理で書かれている日経新聞には「大学」欄があり,大学や学生への苦情?がよく載っている.で,定期的に学生の語学力(主に英語力)に関する苦言と,それとセットになった「○○大学で100%英語での講義実施」といったニュースが載る.

正直,非英語圏の先進国で100%英語での講義をしている大学なんて無いと思うし,インド出身の先生に話を聞くと「ウチはコロナイズドカントリーだからね・・・」とさみしげに言う.

それはともかく,仮に「大学の講義を100%英語で実施にしよう」としたとして,何でいきなり大学だけの話をするんだろう?「大学の講義を100%英語に」するために,「高校では50%を英語での講義に」,「中学校では30%を英語での講義に」といった論調はあまり聞かない.

実際問題,大学で100%英語暮らしをさせようと思ったら,上記のように段階を追って英語を使わせていかないと,日常で英語を使う機会が皆無な日本では無理だと思うし,そうしないから「受験英語」しか習得しない学生ばかりになるんじゃないかな.

何というか,問題を目につくところに寄せておけばオケ,みたいな雰囲気がいつまでも続いていて,なんだかイヤな気分.大学入試の季節になると,「大学入試が学生をダメにした」みたいな論がまたぞろ出てくるんだろうな.現在の日本では,大学入試以外に学力担保手段が何も無いのに.良いか悪いかは別にして,イタリアでは小学校から留年アリだよ.「高校卒業」がちゃんとした学力担保になるなら,大学入試で多様性を追求するのも良いだろうが,なぜか「学力 or 個性」みたいな論になっちゃうんだよね.

使える英語を身に着ける,このための初等教育からの一貫した見直しと,その裏付けになるヒト・モノ・カネの負担に耐える覚悟がない限り,言うだけムダって感じがする.

ま,妄言だけど.

#日経は景気が上向いてくると「ジェネラリストを」下向くと「スペシャリストを」育てろって言ってくるよね.
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我が町のバスレーン [北イタリアから偉そうに]

北イタリアの我が町,例によって都市中心部は一方通行が多い.

それは狭い道ばかりだからか,というと,それもあるのだが,必ずしも「片側一車線」しか道幅が無い,というケースばかりではない.

当方の職場の近くは,写真のように1レーンがバス・タクシー専用,1レーンが一般,路肩が駐車スペースになっている.

バス・タクシーレーンは一般レーンと向きか逆.すなわち,バスやタクシーは双方向通行が可能だが,一般車は一方通行になっている.つまり,2車線+αの幅がある.

日本の大都市の場合,交通量が非常に多いので,一般車線の設置を優先するようにも思えるが,北イタリアは余裕があるのか,コミュニティとしての機能を重視するせいか,このような仕組みになっている.公共交通機関を確保したり,自宅の近くに駐車スペースができたほうが結局自分にも便利だから,個人の車はちょっと遠回りすればいい,ということならば,なかなか賢い人々だ.

w_bustaxi.jpg
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イタリア車のATは誰が改良するのか? [北イタリアから偉そうに]

相変わらずMT車ばかりのイタリア.案外慣れるもので,レンタカーでATを探すのもすっかり諦めた今日このごろ.

ところで,日本のサイトを見ると,イタリアの車もほとんどAT(というか2ペダル)しか売っていない.検索しても提灯記事か自己肯定記事が多いのだけど,耐久性とかドライバビリティは進化しているんだろうか?

欧州でのイタリア車はもちろんMTばかり.最近欧州でもAT比率が上がっている,という報告もあるようだが,それは単にドイツ製高級車が市場を席巻している,ということだろう.イタリア人たちの,マニュアルじゃないとカッコ悪い,という意識もあるが,現実には,そんなお金を払うなら他に廻そう,ってことなんだろう.

欧州でAT(2ペダル)というと,高級グレードのさらにオプション,という位置づけのようだ.イタリアでの価格をざっと調べてみるとこんな感じか.例によって間違いがあるかもしれませんので,そこいらへんはご容赦を.価格は全てユーロで,出典はこちら:Fiat Punto, Alfa Giulietta, VW Polo, VW Golf.

車種エンジンボトムグレード同グレードで
MTAT差額
FIAT Punto ディーゼル14,450---
ガソリン12,45013,20014,000+800
VW Polo ディーゼル14,80018,30019,800+1,500
ガソリン12,60016,10017,600+1,500
Alfa Giulietta ディーゼル22,27026,72028,420+1,700
ガソリン18,77023,32025,020+1,700
VW GOLF6 ディーゼル19,90023,90025,800+1,900
ガソリン15,30021,85023,750+1,900


トリムレベルの違いはあれど,AT車を手に入れるためには,ボトムグレードに5,000ユーロ程度プラスする必要がある.同グレード同士で比べても1,500ユーロ以上の差があるので,費用にうるさい(懐が厳しい)イタリア一般市民にとっては別の車と受け止められているのではないだろうか.なお,PUNTOはロボタイズド5MTが+800と比較的安いが,ディーゼルでは選択できないし,クオリティはDSGやTCTに及ばないだろうから,これも市場に選ばれないだろう.

ドイツ勢と違ってイタリアの車はアメリカでマス・マーケットを持たないから,販売の大多数を占める市場はみなMTばかりということになる.つまり,ATユーザーはほぼ日本にしかいない.その日本でもニッチな市場に収まっているわけだから,ATに関する経験値は全然蓄積されてないんじゃないだろうか.こんな状況でもATは進化してくれているのだろうか・・・

日本の大都市の過酷な交通状況で,日本仕様ラテン車たちは生き残って行けるのだろうか・・・いや,高齢化とダウンサイジングによるエンジン-トランスミッション協調の重要性増大のもと,イタリア車は生き延びられるのだろうか.

ま,余計なお世話ですが.


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レンタカー2題 [北イタリアから偉そうに]

最近,再び相次いでレンタカーを借りたので,備忘録的に記録.

日本で言うところの「ガイシャ」の日常に触れられるのがイタリアでのレンタカーのいいところ.どちらもAVISで48時間ずつ借りた.

FIAT PUNTO EVO


ディーゼル1.3L,5MT.彼の地における「国産車」.リバースギアはリングを引き上げるタイプ.

これが見事にイタリアンなイメージを我が家族に植え付けることになった.良くない意味で.

まず,車内がノイジー.排気量が小さいので,それなりに回して走る必要があるのだが,大きな音とは裏腹に「え,まだこんな速度?」という状態.エンジンのトルクが小さいのか,トランスミッションはかなりローギアードで,高速道路では勇気がいる.もう1段,高速巡航用のギアが欲しいよ・・・

アイドリングストップ機能が付いているのだが,信号待ちを終えてブレーキペダルを離し,ギアをローに入れても・・・エンジンが掛からない.すぐにスイッチでオフにした.パワーステアリングはCITYモードどいう,非常に軽くなるシステムがあるのだが,駐車時などエンジンが低回転でパワステの負荷が大きくなると,エラーを発して重ステになる.レンタカーなので,車個体の問題もあるとは思うのだが,「なるほど,これがイタリア車か」とマイナスイメージ満載.正直,もう乗りたくない.

とはいえ,街中ではたくさん走ってるんだよね.イタリア人は機械操作が上手いのか,それとも安さに負けたのか・・・そういえば,比較的柔らかな足で乗り心地はまずまずだった,かな.

VW GOLF


ディーゼル1.6L.5MT.リバースギアはシフトレバーを押し込むタイプ.

先のPUNTOに懲りて,レンタカーの料率クラスを1つ上げて(Economy -> Compact)予約したところ,これが来た.メガーヌのハッチバックあたりかと思っていたので,ちょっと嬉しい.

乗り込んですぐにPUNTOとの格の違いを感じる.非常にカッチリしていて,ある意味日本車っぽい安心感がある.何と言っても車内で聞くエンジン音が静か.左右独立温度設定のオートエアコンが付いている.わずかな金額の差でここまで違う車があてがわれるのかAVIS.

排気量の差もあり,パワーも十分.発進も楽だ.車内が静かなので,エンジンを上まで回すのにも抵抗感が少ない.さすが,欧州のベンチマークとされるだけのことはある.

ただ,全体的に体の大きい人を対象に作られているようで,小柄な当方にとってみると操作系がみな「後ろ寄り」.ステアリング位置を調整できるので,短足な東洋人がシートを前に出しても寝そべる必要は無いのだが,シフトレバーもドアノブも「もうちょっと前にあればいいのに」.日本でも人気のゴルフだが,日本仕様はこの辺改善されているんだろうか?

どっしりした走りで雨の高速でも安心感があるのだが,固めの足回りは荒れたスーパーストラーダの凹凸を拾って結構車を揺さぶる.また,200km/hでの走行を念頭に入れているのか,5MTの各ギアは結構離れていて,低速時は積極的にローギアを使う必要を感じた.コイツも,もう1段ギアを増やしてほしいところだ.

それから,太っちょな横幅.街中の駐車場にティグアンと並んで停めたときは,ドアからすり抜けるのに苦労した.もう少しスリムになってほしいよ.

乗り比べてみると,やはりドイツ車はさすがにクオリティが高い印象.北イタリアがドイツ車に席巻されているのもむべなるかな,だ.

w_punto.jpg w_golf.jpg
イタリアンなPUNTO君.デザインは悪くないと思うのだが,機能不全はちょっと遠慮したい.当初エアコンのコンプレッサースイッチに気づかず,熱風を浴びていた.アイドリングストップと併せ,かなり燃費評価に神経質なようだ. 白いゴルフ.中も外も日本にいるみたいな印象.もう少しスリムな体になってくれれば言うことナシなのだが.ごっついシフトノブは,リバースに入れる際にぐっと押し下げることが必要.リバースへのロック解除は各社個性がある.

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我が町のクルマ点描 [北イタリアから偉そうに]

イタリアといえば,スーパーカー世代には心躍る自動車の国である.

さりとて現在,私が滞在している北イタリアの町ではドイツ車が幅を利かせ,白・黒・シルバーの地味なトーンが支配的である.それはそれで,長い歴史をもつ町並みによく合っている気もしなくもない.以下,気の向くままに写真を撮った結果.

w_oldfiat350.jpg 秋祭りで展示されていた,旧い救急車.渋いブルーグレーのモノトーンが実に美しい.赤くFIATのバッジあり.



w_oldlancia400a.jpg
w_oldlancia400b.jpg
こちらも秋祭りで展示されていた旧い救急車.渋いオリーブグリーンで,若干軍用車的雰囲気.側面にLANCIAのエンブレムが付けられていた.


w_xm240.jpg w_mini240.jpg
地味なシトロエンとミニ・カントリーマン(クロスオーバー).どちらも地面と一体化しそうな色だ.なお,ミニ・カントリーマンは人気らしく,街中のあちこちで見かける.


w_parking400.jpg
雁首並べた車たち.モノトーンのドイツ車が圧倒的.つられてイタ車も地味な色が中心だ.

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北イタリアでレンタカーを借りる [北イタリアから偉そうに]

w_fiesta.jpgイタリアは鉄道国であると共に自動車社会だ.レジャーに出かけたり,大型家電店やらIKEAやらにでかけるためには,車が必要だ.

多少不安はあるものの,我々もレンタカーを借りて使ってみた.レンタカー会社も各種あるが,なんとなく馴染みがあるAVISを選んでみた.

よく言われているとおり,イタリアではマニュアルトランスミッション(MT)車が多く,わが町のAVISにも(Hertzにも)MT車しか用意が無かった.ベネチア空港などではAT車も用意があるようだが.

初回の利用でエコノミークラスを指定したところ,黒いフォード・フィエスタがあてがわれた.ほぼ新車で,坂道発進の際に後退しない機構が付いていた.10年ぶりのMT運転では大いに助けになった.

子供用にジュニアシートも借りたのだが,日本の大手レンタカーと違って有料だ.また,GPS(カーナビ)も借りてみたが,PNDでフロントウィンドウに吸盤で取り付けるタイプだった.画面は小さいし,吸盤はすぐに外れるし,盗難が気になるしと良いことがないので,結局使わず.携帯+Google Mapで十分だ.

フィエスタは5速MTで,当初はクラッチを踏まずにエンジンをかけたり,ラウンドアバウトの入口でエンストしたりと散々だったが,慣れてくると活発な走りが楽しく感じられた.

レンタカーの殆どは,ヨーロッパで主流のディーゼルだ.小型車はもちろん,メルセデスのE,BMWの5ぐらいまで,ほぼ例外なくディーゼルだ.車外にいると,ガラガラという音がそれなりに気になるが,車内ではほとんど分からない.それよりも,ガソリンエンジンに比べて上限回転数が低く,ギアシフトのタイミングがイマイチ掴めない.ディーゼルはガソリンに比べてトルクが大きいから,低回転でつないでも良いのだろうが,どうも感覚的に怖くてブワーンと回してしまう.

それにしても,この地ではいまだにMT車がほとんどだ.妙齢の女性も上手に運転しているんだろうか.怪しまれない程度に覗き込んだところ,メルセデスはかなりATの割合が高いが,その他はランチア・デルタ,VWティグアンやBMWの3ぐらいまではMTが普通のようだった.最近はATのほうがMTより燃費が良いケースも多いと耳にするのだが,MT乗りのほうがカッコイイ,という感覚もあるのだろうか.

当方が漠然と妄想するところ,欧州は変速,特にシフトダウンの機会は多いが,ゼロ発進の機会が少ないのでMTでも良いのではないだろうか.日本は渋滞が多く,ゼロ発進とシフトアップの機会が多いので,停止中や発進時に面倒がなくトルク断絶のないATに人気が集まったのではないか.あるいはアメリカのように国土が広く,そもそも変速の機会があまりない国の場合,ATがイマイチでもあまり気にならないのだろう.

欧州の場合,ラウンドアバウトのように車の流れを止めない工夫が多くある.かといって停車はせずとも減速は必ず必要になる.かつてのATはシフトダウンが苦手だったため,欧州のユーザーに嫌われたのかもしれない.

電気自動車の時代が近づいている現在,内燃機関の不得手を補うトランスミッション,それも手動のもの,が今後どの程度残るのか,興味深いところだ.

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